148 言葉は灯台の明り。

それに頑張っていれば見てくれている人は必ずいて、手を差し伸べてくれるということです。最もそのことを初めから意識してやる人は誰もいないでしょうし、そんなことを期待して打ち込む人はいないはずですから、自力で頑張るしかないということになるはずです。どんな社会でも才能がありどうしても勝てないという人物はいます。またいなければ困る社会ですが、そんな世界にあれもこれもできるというのは、その道に秀でるということではなく片手間の余技ということになるのではないでしょうか。心血を注ぐから見えてくるものもあり、武者小路実篤は人がなんと言おうが懸命にやっていたからこそ、志賀直哉もああいうふうに言ったのだと考えます。そして懸命にやっていたから武者も言葉を掴んだのだと思います。自分が生きる指針になる言葉を掴むことは容易なことではありません。またそれは学問で掴めるものでもありません。どんな社会でも一人でやろうとすればその責任もまた自分が取らなければなりません。プロジェクトを組んでやる仕事ではありませんし自分の才能に一切を賭けて生きる世界です。日々精進しなければ淘汰されていくということになります。自分に自信を持てるようになるには人に頼っても駄目ですし、逆に当てにすればそこに甘えが出てきて根腐れを起こすということになります。それは小説を書く世界も同じことではないと考えます。