51 「河豚計画」。

f:id:satoyojiro:20210411004158j:plainそのシフのおかげで一九〇四年を皮切りに軍事国債を引き受けてもらい日本海戦に勝ったのですが、実はその国債が払い終わったのは一九八六年のことだと言われています。その前に日本は一八九七年に日清戦争に勝った賠償金を元手に金本位制を採用しました。金の価値を基にして固定為替レートと各国の通貨を持つことになりました。そのことで外国との信用や資金調達もやり易くなりました。おかげで関東大震災の復興債・電力債など外貨の借り入れを導入しました。当時のレートは一ドル一円だったものが敗戦で、一ドル三百六十倍になりました。つまり国力が三百六十倍に弱まったということです。三百六十円になったのは単純に円周率が三百六十倍だったからです。敗戦後、中断や紆余曲折がありながらも払い終わったのですが、支払いはレートが三百六十倍も変わったのですから莫大なものになりました。日露戦争の軍事国債ユダヤ人に支払われ続けたと言われるのもそのためです。また長引いた原因は満州国建国ためにユダヤ人の経済力や政治力を借りて建設しようとした「河豚計画」というものもありました。彼らの資金でダムや鉄道を敷き建国を進めるというものですが、一九三〇年代に迫害で難民となっている数万のユダヤ人を満州に移住しようとしたのです。彼らの経済力や政治力をあてにしていたものです。しかし逆に失敗すれば彼らの力で日本が破滅することもあり、猛毒の河豚を扱うようにしなければならないという例えから生まれた言葉です。その計画はユダヤ人ピアニストの「シモン・カスぺ殺害事件」の対応のまずさや日独伊同盟・日ソ不可侵条約の締結など諸々のことがあり頓挫してしまいましたが、計画が進んでいたのは事実です。現在ではこの「河豚計画」や「五族共和」「八紘一宇」などの言葉は教えられることも少なくなりましたが、それも敗戦国の宿命と言えるでしょう。戦勝国が不利になることは闇に沈んで行くということになります。そして敗戦・日米安保条約自動延長となりアメリカと同盟国となっていきます。なにも安保条約は軍事・防衛のことだけではありません。経済のこともしっかりと書かれています。ここでは列記しませんがこの条約に日本が忠実に動いていることがわかります。アメリカは日本の独立を願っているわけではありませんとよく言われるように、この国の弱体化を狙っているとも捉えられる気がします。それだけ日本の近代化も早く世界から見れば当時から教育も高く技術の習得も早く、彼らが怖れる理由はいくらでもあります。植民地にできなかったのもそのためでしょうし、明治以降富国強兵がこの国の柱でから、縛りが野放図にしていればすぐに軍事大国になるのも自明です。それは今日を見ればすぐにわかりますしアメリカが畏怖したことは正鵠だと考えています。手を抜くと日本は危ないということかもしれません。ただ知らないことや教えないことが教育の中で多い気はしています。わたしは民族主義に傾斜しているわけでもありませんが、自虐的なことばかり教えないで誇りになることを伝えてもいいのではないかという気持ちはあります。教科書で歴史や道徳が疎まれ、入試でも国語より英語の配点が多いのはどういうものかという思いはあります。やはりこのことも植民地政策の一環あるいは弱体化を進めているのではと穿った見方もしてしまいます。国語の読解力よりも英語ができるほうが賢いという発想も妙なものです。世の中は常に矛盾だらけでまたそのせめぎ合いというところもありますが、近頃の三島由紀夫の再評価もわからないことでもない気がします。いずれにせ有史上最も豊かさに包まれていますが、国家でも会社などの組織でもあるいは家族でも外側の圧力には強いものがありますが、それぞれの組織は内側から崩壊していくことが多いものです。それは人間が疑心暗鬼になったりすると進みますが、今日の自民党イコールアメリカという図式の強固さは多少の生きにくさは増してくるかもしれませんが、崩壊とはいかない気もします。そういう意味では不平等だとも思える安保条約も役に立っていることかもしれません。アメリカが牙を剥くのはそれらの保証が担保されなくなった時ではないでしょうか。