41 飽食の時代。

先人たちの犠牲の上、敗戦後、わたしたちは歴史上もっとも豊かになり、減量を気にして生きている時代はないはずです。テレビでは毎日若いタレントが食べ物の話をしたり、料理を作る番組が氾濫しているのもながい歴史の中では一過性のものです。またいつか飢餓の時代がくるとも考えられますが、飢餓や貧しさは戦争の大きな要因です。豊かであればその恩恵を享受するために自分たちを守ろうとしますし、反対側の人々はそれを奪いにかかります。自分の土地や自国を守るということが施政者のもっとも大切な仕事ということになりますが、そのためにも軍隊を持つことにもなります。恵まれた人間が私兵を持ったり、中世の武士の台頭を思うと人間も他の動物となんら違いはなく、潜在的に常に飢餓の恐怖を抱き、そのために助け合い共に生きなければならないのですが、必ずしも社会は思った通りには進みません。むしろ逆に進んだりもします。わたしたちの欲望が邪魔をしますし本来なら国民を守るためにある軍隊が国民を攻撃したりもします。ある特定の人間が私利私欲に走れば独裁政治や全体主義になっていくというわけです。よく組織や個人が会社のためあるいは国のためにと言う人々がいますが、悪いことをやった人間の最後の拠り所がそういう言葉でもありますが、結局は自分のためにやっているということになります。わたしは組織のため国のためだという人々は信用しません。戦前の軍部のことを思えば破滅はあっても発展はないと考えます。反対に国を守るということはなによりも大切で自国をどうやって守るかということは、他人や他国まかせではいけないと考えます。歴史を振り返れば同盟国が最後まで同盟国を守るというのは少ないものです。なにがなんでも守ろうとするのはそこが自国にとってなによりも重要だったり、陥落させられれば自国も危ういという時に懸命に戦います。そういう時には助けてもらおうとする国は先兵隊とならざるをえません。自国が強くなければ国は守れないということは歴史が証明しています。逆に軍事費が増えれば国民の生活を圧迫し経済が疲弊するということになります。そうなれば政治体制も弱体化していくことになります。その証明もすでに歴史が提示していますし武器を持っている人間は、いつか必ずそれを行使するという事態も生じてきます。政治だけでは抑え込めないものが常に付きまとうということになります。たとえば第二次戦争の時にドイツ軍に侵攻を許しパリは陥落しました。フランスはナチス・ドイツの占領下に置かれド・ゴールはイギリスに亡命しました。